歌の土台「腹式呼吸」の正しい方法とメカニズム
腹式呼吸は、単にお腹を膨らませる動作ではありません。
横隔膜(おうかくまく)という筋肉を使った、深く効率的な呼吸法です。
ボイストレーニングにおいて最も重要とされる基礎技術なのです(*^▽^*)
1. 腹式呼吸のメカニズム
通常の呼吸(胸式呼吸)では、肺の周りの肋骨や胸郭を広げて息を吸いますが、
腹式呼吸では主にこのような動きで肺に空気を取り込みます!!
- 息を吸う時: ドーム状になっている横隔膜が収縮し、下へ下がります。これにより胸腔(きょうくう)が広がり、肺が押し広げられて空気が入ります。横隔膜が下がることで、内臓が押し出され、結果としてお腹が膨らみます。
- 息を吐く時: お腹の筋肉を使って下腹部を締めることで、横隔膜を押し上げ、効率よく息を押し出します。この「支える力」が、歌や発声の安定感につながります。
2. 腹式呼吸の具体的な練習手順
まずは、体の力を抜いて、動きを意識することから始めましょう☆彡
ステップ1:仰向けで体の動きを確認する
- 床に仰向けに寝ます。膝を軽く立てると、よりリラックスしやすくなります。
- 片手を胸に、もう片手をおへその少し下(下腹部)に置きます。
- 口から肺の中の空気を「ハーッ」と全部吐き切ります。
- 鼻からゆっくりと静かに息を吸います。このとき、胸に置いた手は動かさず、お腹に置いた手だけがゆっくりと持ち上がる(膨らむ)のを確認します。
- 息を吸いきったら、今度は口から細く長く「スーーーー」と吐き出します。お腹がへこみ、内臓を奥に押し込むような感覚を意識します。
【ポイント】 胸が動くのは胸式呼吸の癖が残っているサインです。肩や胸に力が入らないよう、リラックスを最優先してください。この「寝ながら」の確認で、正しい腹式呼吸の感覚を体に覚え込ませます🙌
ステップ2:座った状態で練習する
- 椅子に背筋を伸ばして座り、肩の力を抜きます。
- 息を吸う時にお腹が膨らみ、吐く時にお腹がへこむ、ステップ1と同じ動きを繰り返します。
- 特に「吐く息のコントロール」を意識します。お腹を急にへこませるのではなく、風船の空気をゆっくり抜くように、一定のスピードで長く息を吐き続けることを目標にしましょう。
ステップ3:発声と結びつける(ドッグブレス)
- 正しい腹式呼吸でお腹に息を入れたら、犬の呼吸のように「ハッ、ハッ、ハッ」と腹筋を使って短く鋭く息を吐き出します。
- 腹筋(特に下腹部)が動いていることを確認してください。この動きは、歌のフレーズの切り際や、リズムを取る際に役立ちます。
3. 腹式呼吸のメリット
- 声の安定性向上: 息の供給が安定するため、音程がぶれにくくなります。
- 持久力の向上: 長いフレーズでも息切れせず歌えるようになります。
- 声量のコントロール: 強い声から囁くような声まで、自在な音量調整が可能になります。
腹式呼吸は、毎日少しずつ意識して行うことで、自然と身についていくものです😭
焦らず、まずはリラックスして深い呼吸を体に覚え込ませてください✨